白血病?膠原病?ステロイド治療始まる③

看護師のIちゃんは毎日、息子ちゃんの幼稚園バスを送った後、私の様子を見に寄ってくれました。足のむくみ、体調などをチェックし、

①毎日体重、体温を測って記録すること

②よく噛んで、消化に良いものをバランス良く工夫して食べること

③次に病院に行った時に先生に聞く事をまとめること

など、アドバイスしてくれました。

Iちゃんもお子さんが3人もいて忙しいのに、毎日毎日チェックに来てくれて、私のメール報告に、こまめに返信もしてくれていました(涙)本当に感謝してもしきれません…。

そして1週間が経ち、いよいよ再び、血液内科のTing先生の診察を受ける日になりました。

ステロイド、また飲み間違える…

通訳のLさんと待合室で待ち合わせ。すぐに血液検査を受けると、診察室に入りました。前回、40000以上もあった白血球は、15000位にまで減っていました

「Very good」とTing先生。前回高かったアレルギー反応の数値も激減していました。

「次は、1ヶ月後に来て

え…。

「途中で何か他の症状が出たら、どうしたらいいですか?」

Ting先生は少し考えて、「日系病院の方に…」と言われました。

この時、通訳を通して、ステロイドの飲む量について、「薬は引き続き、同じで続けます」と聞いたつもりでいましたが、後から思えば、私はハッキリと把握できていなかったのです…

錠数間違え、再び…

そして、引き続きステロイドを朝晩1錠ずつ、1日2錠のトータル40mgを飲んで、体調も良く穏やかに過ごしていました。

4日目の夜でした。夜の分のステロイドを飲み終わった時、ふと、病院でもらった薬のピルケースを見ながら、

「これ…、1日2錠飲んでたら、明らかに1ヶ月も持たないよね?」

と気付きました。円筒型の小さなプラスチックのピルケースの中に、むき出しのステロイドの錠剤がざらっと入っています。そして、ラベルをよく見ると…

「1time/daily(一日一回)」

と、書いてあるではありませんか!!!(震撼)

慌てて、ピルケースのステロイド錠をザラーっと全部出して、数えました。

明らかに足りない…。1ヶ月分60錠で4日分の8錠飲んだから、52錠残っているはずが、22錠しか無い…。

そしたら、残りの日数を1日1錠で飲んでも、4錠足りない…。

シンガポールで治療継続の不安と、セカンドオピニオン

翌朝、慌ててTing先生のクリニックに電話して必死に状況を説明し(どこまで英語が通じたかは分かりませんが)、とにかく足りない分の薬を出してもらうことになりました。

4錠の薬をもらうのに、タクシーで30分です…(辛い)

外出すると改めて、まだ体力が無いと実感します。足のふくらはぎがすぐに張って来て、やっとの思いで歩きました。

体はきついですが、せっかく都心まで出て来たチャンスです。隣のビルに日系病院があるので、先に行って経過報告をしました。

先生には、ステロイド量を継続して飲み続けたこと自体は問題ないと言われ、それとは別に、私のケースは症例が無いので、「どこかの早い時点で日本に帰って血液の専門医に診てもらった方が良いよ」と言われました。

その時点では、冬休みに、娘の学校を1週間くらい前倒しで休ませて帰国するか、それでも年末年始にかかって通院が難しいかもしれないから、やっぱり春休みかなぁ…なんて、思っていました。

その後、同じビルにあるMUJIカフェで一人ランチ。魚や肉系のおかずと、サラダやおひたし系のおかずをそれぞれ頼めて、ご飯もついて12ドルでお得です。食欲もあり、むしゃむしゃ食べたいのですが、アゴの筋肉が痛い

ステロイド1日40mg→20mgに…

そして、不足分の薬をもらいにTing先生のクリニックへ。

受付で「私のミステイクで、1日1錠のところを、2錠飲んでしまっていました。」と説明したら、隣に座っていた若い方の受付嬢が、私を見て「HA–HAHA!!」と大声で笑い、そしてすぐ真顔になって目をそらしました。

今度こそ絶対に間違えないぞ!と誓い、飲む前に何度も確認し、飲んだらすぐ記録。その日からステロイド朝1錠の生活が始まりました。

しかし、このステロイド40mg→20mgという急激な減薬が、その後様々な恐ろしい症状を引き起こすのでした…。

白血病?膠原病?ステロイド治療、始まる②

ステロイド治療、始まる

帰りのタクシーの中から、娘を預かってもらっていたママ友に連絡すると、「まだ夢中で遊んでいるので…。夕方まで預からせて下さい」と…(涙)ありがたく、お言葉に甘えさせてもらいました。

そして、帰宅すると同時に、軽めに食べて、早速ステロイド20mgを一錠、飲みました。そして、ソファーに倒れこみました。

食料品の共同購入をしている友達が、我が家の分を届けに来てくれて、白血球に異常値が出たことを話すと、「白血病じゃないよね?」と泣きそうな顔をして心配してくれました。

病気になったことを拡散して欲しい

先の友人から、「ほうじ茶ラテちゃんの病状を、心配だったので〇〇さんと〇〇さんには相談したけど、他の人には絶対に話さないからね!」とメールが来ました。

いやいや、むしろ、私のこの状態を、知り合いの日本人全員に拡散して欲しいとすら思う心境でしたので、「むしろ拡散して欲しい」と話しました。

「話さないからね」「いやむしろ…」このようなやりとりは、他の人ともありました。また、これは後の話になりますが、日本に帰国してからも、身内は「出来ることなら身内に留めて、他の人には知られたくない」と言う考えでした。

しかし、病気になったこと自体は、自分の責任ではないといいますか、「悪い事をしたわけではない」と言う意味で、私の頭の中では「隠したい事ではない」と言う考えがありました。

また、日本人コミュニティは、たくさんのボランティア精神というか、助け合いの中で成り立っています。その中で、自分に免罪符がないと、後ろめたさやこう思われているんじゃないか、という思いに悩まされることになります。それくらいなら、むしろ「私はこういう病状で、色々な活動をしたくても出来ません」と、はっきり宣言して、周りに理解してもらう事が大事だと思うのです。

「ステロイドは魔法の薬」

娘はママ友のお宅で、ご厚意で夕食までご馳走になって、夜が更けてから送ってもらって帰って来ました。その頃には、全身の疲労感で立っているのがやっとでした。

状況を聞いたいろんな友達が心配して、「入院しなよ!」とメールをくれましたが、返信もできないまま、夜の分のステロイド20mgを一錠飲んで就寝しました。

そして、朝…。

「え?」身体がウソのように軽い

寝ていても痛かった腕や背中の痛みもありません

疲労感がおさまり、足のむくみやまだら模様もスッキリとしていました。

まさに、魔法にかかったよう。一夜にして症状を劇的に改善する、ステロイドの威力に驚きながらも、本当に救われた!!という思いでした。

歩けば、ふくらはぎの疲労感が若干残ってはいるものの、昨日までの辛さとは雲泥の差。本当に長年の束縛から解放されたようで、喜びと感謝でいっぱいでした。

こうして一週間、ステロイド朝晩20mg、1日トータル40㎎を飲み続け、体調はうなぎのぼりに回復しました。

白血病?膠原病?ステロイド治療始まる

肺、血管、リウマチの合併症

クリニックの待合室に入ると、日系病院から派遣されてきた通訳の女性Lさんが、すでに待っていました。Lさんはシンガポーリアンですが、日本語(医療用語)ペラペラです。

Lさんと診察室に入って行くと、お馴染みのTing先生がいました。

Ting先生は相変わらず、直接私を診ようとはしません。立派な机の向こう側から色々と質問をされます。

これまでの長い経過を、Lさんを通して説明しました。前回の私の英語力では伝えられてなかったので…(苦笑)足が痒くなり、腫れて水疱ができて、治ったら身体がだるくなり、胃痛がおこり、全身の筋肉が痛くなり、噛むとあごが痛くなり…

そして、別室で血液検査を受けて再び診察室へ。

気管支喘息にかかったことある?」「はい」

他に、今までかかった病気などについて聞かれ、去年ウィルス性心膜炎にかかったことなども話しました。

そして、血液検査の結果を見ながら、肺、血管、リウマチの合併症だといわれました。

肺、血管、リウマチの合併症…なんじゃそりゃ〜!!

入院したいですか?」

入院…。

身体がしんどいから、このまま、入院出来るものならしたいけど、娘はまだ小学一年生。

家に帰って色々準備や人にお願いする手配して…って考えると、かえって労力がかかりそう…。

「ええと、出来れば、家で…」(でもホントは2、3日入院したい…)

ああそう、と言う感じで、ステロイドの錠剤を朝晩20mgずつ、1日40mgを処方され、次は1週間後に来て、と言われました。

帰り際、通訳のLさんに、「また次回も来てくれよ。彼女(私)だけだと、スマホの翻訳アプリの見せ合いになるからね。笑」と言っている先生…

ちょっとイラっとくる(笑)

そして会計を済ませてクリニックを出る時、Lさんはコソッと、私に言いました。「先生が一番心配されてるのは膠原病です」

こうげんびょう?聞いたことはあるけど…

「まぁ今のところ多分、そこまでではナイ…と思うんですけど」

ふと、私の足元に目をやったLさんは、びっくりして目を見開き、口を押さえて、

「ほうじ茶ラテさん!!足、どうしたですか!!」

と叫びました。

私の足は浮腫んで、赤紫色にまだらになっています。

でも、これがいつものことなんです…

「少し歩くと、こうなってしまうんです。」

先生、ちゃんと診てくれないんだもん…(心の声)

「ほうじ茶ラテさん…、」

しばしの沈黙の後、Lさんは言いました。

「あんまり、運動とかはしない方がいいですよ」

はい…。出来ません(笑)