白血病?膠原病?ステロイド治療始まる

肺、血管、リウマチの合併症

クリニックの待合室に入ると、日系病院から派遣されてきた通訳の女性Lさんが、すでに待っていました。Lさんはシンガポーリアンですが、日本語(医療用語)ペラペラです。

Lさんと診察室に入って行くと、お馴染みのTing先生がいました。

Ting先生は相変わらず、直接私を診ようとはしません。立派な机の向こう側から色々と質問をされます。

これまでの長い経過を、Lさんを通して説明しました。前回の私の英語力では伝えられてなかったので…(苦笑)足が痒くなり、腫れて水疱ができて、治ったら身体がだるくなり、胃痛がおこり、全身の筋肉が痛くなり、噛むとあごが痛くなり…

そして、別室で血液検査を受けて再び診察室へ。

気管支喘息にかかったことある?」「はい」

他に、今までかかった病気などについて聞かれ、去年ウィルス性心膜炎にかかったことなども話しました。

そして、血液検査の結果を見ながら、肺、血管、リウマチの合併症だといわれました。

肺、血管、リウマチの合併症…なんじゃそりゃ〜!!

入院したいですか?」

入院…。

身体がしんどいから、このまま、入院出来るものならしたいけど、娘はまだ小学一年生。

家に帰って色々準備や人にお願いする手配して…って考えると、かえって労力がかかりそう…。

「ええと、出来れば、家で…」(でもホントは2、3日入院したい…)

ああそう、と言う感じで、ステロイドの錠剤を朝晩20mgずつ、1日40mgを処方され、次は1週間後に来て、と言われました。

帰り際、通訳のLさんに、「また次回も来てくれよ。彼女(私)だけだと、スマホの翻訳アプリの見せ合いになるからね。笑」と言っている先生…

ちょっとイラっとくる(笑)

そして会計を済ませてクリニックを出る時、Lさんはコソッと、私に言いました。「先生が一番心配されてるのは膠原病です」

こうげんびょう?聞いたことはあるけど…

「まぁ今のところ多分、そこまでではナイ…と思うんですけど」

ふと、私の足元に目をやったLさんは、びっくりして目を見開き、口を押さえて、

「ほうじ茶ラテさん!!足、どうしたですか!!」

と叫びました。

私の足は浮腫んで、赤紫色にまだらになっています。

でも、これがいつものことなんです…

「少し歩くと、こうなってしまうんです。」

先生、ちゃんと診てくれないんだもん…(心の声)

「ほうじ茶ラテさん…、」

しばしの沈黙の後、Lさんは言いました。

「あんまり、運動とかはしない方がいいですよ」

はい…。出来ません(笑)

 

血液検査で白血球に異常値、40000超え…(後編)

翌日の9月8日の朝でした。その日も子供達を送り出した後、同じ棟の看護師 Iちゃんが様子を見に寄ってくれました。

Iちゃん「連絡あった?」

私「まだ無いんだよね…」

Iちゃん「今、ここで電話して。今日そこで診てもらえないなら、これから一緒に日系病院に行こう」

そしてTing先生にTEL…

私「血液検査の結果を伺いたいのですが、今日伺っても良いですか?」

Ting先生「あー…紹介してくれた日系のドクターと相談してからと思って…あなた、皮膚科系でもなんかあったでしょ」

私「今日、日系病院に行こうと思うので、またお電話します」

そして、Iちゃんと私はタクシーに乗り込み、華やかな都心オーチャードのビルにある日系病院へと向かいました。

診察室にも一緒に入り、先生に、「私は看護師なのですが…」と私の状況を説明してくれるIちゃん。先生も、「あれから、ここの先生達みんなにほうじ茶ラテさんの病状話して聞いてるんだけど、みんなそんな症状、診た経験ないって言うんだよねぇ…」私の病状を心配してくれていて、親身になってくださいました。

まず血液検査をしました。検査の結果が出るまでの間は、小一時間ほど待合室で待ちます。

Iちゃんと久しぶりに長い話をしました。思えば、来星以来の長い付き合いで、しかも同じ棟でしたが、二人で話をするのは滅多に無いことでした。子供の学年も一緒ではなく、お互いの家を頻繁に行き来するようなこともなく、それでも、こんな時に全身全霊で助けてくれるIちゃんは、なんと言う類まれな、素晴らしい人なんだろうと改めて思います。

検査の結果が出て、診察室に呼ばれました。入って行くと、先生の顔が、ただ事ではなく青ざめています。結果は…

白血球42400…

3日前の28400から、さらに倍増していたのです。

「こんな数字、見た事ない…」先生も困惑し、青ざめて言葉を失っています。何か思いつめたように早足で部屋を出入りすると、すぐ戻ってきて「午後空いてる?」「はい、子供のお迎えがあるけどなんとかします」「よし、Ting先生の予約取れたから行ってきて!」すぐに電話で血液内科のTing先生に電話してくださっていて、さらには通訳の手配もしてくださいました。

いや〜〜良かった!!と、安堵した表情になる先生とIちゃん。

Iちゃん「これで、ステロイド治療が始まるんでしょうね」

先生「多分そうなるだろうね。いや〜良かった」

親身になって喜んでくれる二人に、本当にありがたさで恐縮でした。

タクシーで先に帰るIちゃんを見送ってから、ビル内でランチを済ませ、再び隣のビルのTing先生の元へと向かいました。

綺麗なショッピングモールの広さも、道路を渡って隣のビルに移動するわずかな道のりも、本当に長く辛く感じられるほど、足は浮腫み、ふくらはぎは張り、疲労感が激しく襲いました。

そうして、この日から1日40mgのステロイド治療が始まることとなります。

血液検査で白血球に異常値、40000超え…(前篇)

筋肉痛は、ふくらはぎ、一の腕、背中、腰、あごと全身におよびました。

少し歩いただけでも、ふくらはぎが張ってきて痛くてたまらず、また、息切れがして体力が持ちません。家の中でも座るか寝るかでした。

一の腕、背中、腰は、寝ていても痛みました。

こんな調子なので、小学一年生の娘の新学期が始まりましたが、家から5分のスクールバスの発着所まで送り迎えする事も出来ず、本人に言い聞かせて自力で行かせたり、夫や他のお母さんにお願いしなければなりませんでした。

あごの痛みは、食べる時に噛むと起こるのです。なので、固いものは噛めず、また、完食するのに時間がかかりました(もともと早食いだった私には辛かったです…苦笑)。あるいは十分に噛み砕けないまま飲み込んでしまいました。

そして、何と言っても辛かったのは、胃痛でした。食後、右のみぞおち辺りに鈍痛が起こると、それが何時間も…半日くらい続きました。

ひとたび胃痛が起こると、みぞおちを拳でグッと押さえながら、ベッドでうつ伏せになっていました。

食い意地が張っていて、食べる事が大好きだった私には、この胃痛というものが一番辛く、精神的にこたえた気がします。

そうして原因不明の様々な異変を抱えながら、すがる思いで再び、日系病院を受診し、運命の血液検査をすることになります。2017年9月5日のことでした。

こんな数値見たことない…

 

血液検査の結果を見ながら、先生の顔色が変わっていました。白血球の数値が28000超えの28400でした。普通の人は8000〜9000位とのこと。

「健康診断とかでは、これくらいの数値の人はいないんですか?」と聞いたら、「いないいない!」と、激しく手を横に振る先生。

原因が見当がつかないということで、すぐにローカルの血液内科のお医者さんに紹介状を書いてくれました。

予約を取って翌日、ローカルのTing先生を受診。肌つやの良いおじいちゃん先生でした。立派な机の向こう側で、昨日の日系病院からもらった血液検査の結果を見ながら、面接のように質問されます。

Ting先生:Do you have allegy?(アレルギーはある?)

「はい…カビアレルギーがあります」と言いたかったのですが、「カビ」が出て来ずに、辞書アプリで調べたら”mold”と出る。「あ、コレです。モールド。Yeah, I have “mold allegy”」

Ting先生:???

なんか、通じ合えなかったみたい…(汗)ここで英語できないレッテル貼りされ。先生もスマホでアプリいじりだしだな〜と思ったら、なんと「アレルギー」を日本語変換しようとされていた!!てか、おじいちゃんアプリ使えてないし…

なんとか必死で自分の諸症状、筋肉痛があって疲れやすい事などは伝えたのですが、

Ting先生:Your English is….Okay(英語まぁ、出来るんだね)

おいおい、そこじゃないよって言うか…。なんか、悔しい。(苦笑)

血液検査はしたものの、結果はメールするよと言われて、薬ももらえずに帰されました。

しかし、翌日もメールは来ないまま、筋肉痛や疲れやすさなどの諸症状は増していきました。それとともに増していく不安…

同じ棟に住む看護師の友達に「白血球28000ってあんまりない事なの?」とメールしたら、1分後にドンドンドン!!とドアがノックされ、顔面蒼白の彼女が駆けつけてくれました。

今までの状況を話し、ローカルの先生のメール待ちだと言ったら、すぐにこちらから連絡を取れと言ってくれたのです。