足が治ったのは良いけれど@シンガポール

足の見た目がほぼ治って、一安心です。

しかし身体はなんとなくだるく、調子がすぐれません。背中や腰の筋肉痛がひどく、どうも疲れが取れない状態が続きました。

そうこうしているうちに、また足がどうも怪しく、かゆみがぶり返しかけて来ました。

帰国前に受診した日系病院を受診すると、先生も心配してくださっていて、私の足を見るや「えーーっキレイになったねーー!!」と驚き、喜んでくださいました。

日本で処方してもらったステロイドの塗り薬が切れてしまったと話すと、同じものは処方できないようで、 以前と同じFUSIDICという塗り薬を出してもらいました。ですが、これがやはりどうにも効かず…。

アレルギーの薬は出してもらったものの、身体はいよいよだるく、座っていても腰や背中が辛いほどでした。そして、外出先などでムレると足も怪しくなって来て、かゆみの再発に怯えていました。

ここで、私には余ったステロイドの内服薬がありました。

そうです、日本で通院した時、5錠のところを間違えて1錠だけ飲んでいたので、余りがだいぶあったのです。

なので、かゆみのぶり返しや全体的な体調の悪さを抑えるために、数日間、朝一錠を飲んだり、飲まなかったりしました。

そして数日後のある朝。大変なことが起こってしまいました

朝起きて、まず眠気を飛ばすために、オレンジジュースを飲みました。私は柑橘類が大好きで、朝のオレンジジュースは定番でした。

そして、筋肉痛から、うっすら頭痛がしていた私は、鎮痛剤を飲みました。市販薬の、ルルアタックEXです。頭痛持ちの夫がよく日本で爆買いしてくるので、我が家は薬屋が出来そうなくらいにストックが常備されていました。

そして、ステロイドを1錠、飲みました。

そして、程なくして、なんか、胃に違和感がありました。

胃のみぞおち辺りが痛くなり、さらには吐き気がして来て、トイレに行き…。オレンジジュースをザバーっ…。当然、ステロイドも吐いてしまいました。

今思えば、これが、その後に起こる全てのことの「ダメ押しのスタートボタン」だったかもしれません。これを皮切りに、不気味な「胃痛」が始まり、右のみぞおち辺りに鈍痛、さらには胃の裏側、背中の筋肉痛も激しくなり、どうにもならない体の倦怠感との戦いになりました。

翌日、日系病院へ行くと、「基本的には、ステロイドと頭痛薬の飲み合わせのためでしょう」と言われ、胃薬と、「優しい鎮痛剤」を出してもらいました。

しかし、食後の胃痛はそれ以降は慢性化し、筋肉痛や倦怠感も激しくなり、体調はますます悪くなっていきました。

しかも間の悪いことに、ちょうどその数日後、自宅のあるコンドミニアムで、娘の幼稚園の先生やクラスメート、お母さん達を招いたパーティをすることとなっており、準備の真っ最中だったのです。

本当に、この時ほど気持ちに体がついていかない時はありませんでしたが、集まってくださる先生やお母さん方、楽しみにしている子供たちに申し訳がない、という一心で、何とか取り繕おうとしました。一緒に準備を進めていた相方にだけは、体調が悪いと言うことは伝えましたが、その時点では自分自身も、自分の体で何が起こっているのが、見当もつかなかったのです。

身体がしんどいながらも、一緒に準備していた友人をはじめ、夫、先生や他のお母さん達に尽力してもらい、楽しい会となり無事にパーティーは終わりました。なんとかその日を乗り切ることが出来た時は、達成感に全てが報われる思いでした。

しかしその夜、全ての力が抜けてベッドに身を投げ出した時に、異変は起こりました。右の太ももの内側が痒いのです。見ると、バーっと赤い発疹が出ていました。

蕁麻疹のような赤い発疹は、急いで水シャワーで洗い流し、掻かずに様子を見ていたら、だんだんおさまって来ました。

気持ち的にも少し落ち着いて来た翌日の夜、娘と一緒に夜9時ごろ就寝。

夜中に目が覚めた時でした。

夫が、私を見て「どうした?!」と目を見開き、驚いています。

トイレに行って、鏡を見ると…

「あれっ?!」

こめかみに、コブが…

血管がボコッと浮き出たように、左のこめかみの、おでこに近いところに、1.5センチくらいのコブのようなものが飛び出していたのです。

触って押すと、ペコペコと引っ込みます…(怯)

痛くも何ともないだけに、不気味でした。動揺しながら、急いで保冷剤をハンカチで包んだものを押し当てて、じっとしていました。

しばらく経って、恐る恐る鏡を見ると、コブは何事もなかったかのように引っ込んでいました。

一体何だったんだろう…。

コブが出現したのは、それが最初で最後でした。

ただ、何とも言えない不気味な、何かが、自分の身体の中に潜んでいる…という不安が、じわじわと募っていきました。

発症の判明する、数日前のことでした…。

足が治ったのは良いけれど@日本

そして、羽田空港に到着しました。包帯の中で、いつ起こるとも分からない激しいかゆみの発作に怯えながら、7歳の娘を連れて空港に降りたちました。

しかし、7時間に及ぶフライトの後で、ただでさえパンパンにむくんでいる足…

ほどなく、「ああああ!!!」と、激しいかゆみに襲われて、娘を連れてトイレに駆け込みました。

何とか実家の最寄駅にたどり着くと、迎えに来てくれていた母が手を降っていました。

「元気そうで良かった!」

「いや…実はね…」

こそっと、ぐるぐる巻きの足を指差すと、言葉を失う母。

すぐに近くの皮膚科を受診しました。

包帯を取って、パンパンに浮腫んだ私の足が露わになると、先生も、看護師さんも「これは…」とドン引き状態です。しかも、あちこちに水疱&水疱痕があります。

シンガポールで受診した際に蜂窩織炎(ほうかしきえん)だろうと言われたという話をし、すぐに血液検査をしました。

ステロイドの配合された塗り薬を処方され、足全体に塗ってもらいました。

「横に、横に伸ばして塗っていくと、浸透しますからね〜」と、パンパンに腫れ上がった足に優しく塗ってくださる看護師さん。その塗り方は、その後も意識して続けるようにしました。そうやって一言、アドバイスもらえるってありがたいですね。

さらに、ステロイドの内服薬を処方してもらいました。

薬局で、「ステロイドは朝一回ですが、今日の分は今この場でお飲みください」と言われ、1錠飲みました。

そして、翌朝も1錠飲みました。

しかし!!私はここで、とんでもない勘違い、失敗をおかしてしまっていたのです!!

気づいたのは、次の受診となる3日後でした。

ステロイドを朝1錠飲み、足は、ステロイドの塗り薬をたっぷりと塗っていたのが、みるみる効いて、ぐんぐんと腫れがおさまり、かゆみも無くなって来ました。

症状が治まって来たのに喜びつつ、「ステロイドが余ってるなぁ」と、ふと処方箋を見ると…

「朝一回 5錠」と書いてあります…

(血の気の引く音…)

しかし、素知らぬ顔をして受診してしまう私。

すると先生は、私の足を見て、

「えーーっ!!キレイになったねーー!」と喜んでくださっています。

良くなったのだからまぁいいのかしら…と、正直に薬の量を間違えた話が出来ず、診察を終えました。今度はステロイド内服は2錠に減り、塗り薬は継続です。

そうして、2週間ほどの間にステロイド内服も2錠→1錠→なし というように、順調に減らしていきました。塗り薬は朝晩塗って、包帯サポーターを履いていましたが、酷いむくみ、かゆみから解放され、ストレスもありません。先生からも「もうこれで大丈夫だね」と言われるまでになりました。

そして、シンガポールに戻る日になりました。

続きます…

ナウシカの「王蟲」!!

腫れは、左足の甲だけにとどまらず、見る見るうちに足首周りまで広がり、さらには右足も同様に広がって、両足が象の足のようになりました。

腫れた肉が覆いかぶさり、ルーズソックスをはいたような状態という方が近いかもしれません。そして、足首の関節にできた水泡が埋まり込み、歩くたびに押しつぶされます。

オレンジ色の水風船のような水疱が並び、それに覆いかぶさるように段々になった腫れた足首周り…

まさに、映画「風の谷のナウシカ」の「王蟲(おうむ)」!!それも怒りバージョン…

病院に行くと、先生も、ローカルの看護師さんたちも、「何だこれは…」という感じで、ドン引きしてガン見しています。

その時は蜂窩織炎(ほうかしきえん)だろうということだったのですが、すぐに日本に一時帰国するということもあり、応急処置として点滴を受けました。そのあと診察台に行き、大きな水泡は針で潰してもらいました。

一人の看護師さんに「一体何に刺されたの?」と聞かれました。

そして、夫に手伝ってもらい、足を包帯でぐるぐる巻きにして、空港に向かいました。

機内では、時々襲われる、震えがくるほどに耐え難いかゆみとの戦いになりました。

そして一回だけ、包帯の上から掻きむしってしまいました…。

それは、日常ではまず味わえないような物凄い快感でした(汗)

水泡は、意外にも丈夫で破れない類のものでしたが、その時は流石に破れて、汁が滲み出て来てしまいました。

さらにしばらくすると、足の膝下のあたりに、堪え難いかゆみを感じて、もう一回だけ、掻いてしまいました…

するとどうでしょう。見る見るうちに、足首の腫れが、ひざ下まで広がって来たのです!!そして、掻いた部分にも大きな水疱ができてしまいました。

とりあえず、病院でもらった効かない塗り薬を塗り、掻けない代わりにグリグリと塗る、という感じで耐えしのぎました。続きます…