ステロイドの思わぬ効果:花粉症の症状が出ない!

退院したのが冬で、春にかけて俗世で過ごすうちに、気がついたことがあった。
私の長年のおともだちのアレ。春先になると絶対来る招かれざる客。
あれ?来ないじゃありませんか??
長期入院していた時にも、くしゃみ鼻水などの症状はなかったんだけど、それは病棟という、外部と遮断された環境のせいだと思ってました。
私の過ごしていた実家は山のふもとで、春になるとスギ花粉でベランダがウグイス色になるくらいなのですが…

出ませんよ?反応しませんよ?くしゃみ、鼻水ピターっと止まっていますよ?目の痒みもありませんよ??

まさか、もしや、ステロイドのおかげ??

退院当初は、一日35ミリ〜徐々に減らしていた時期だったが、そのくらいの内服量だと、花粉アレルギーも出番がないらしい。

これは嬉しい誤算!!

花粉の時期に外を歩いても、風に吹かれても、花粉アレルギーが出ないなんて、なんて快適、なんて自由!
なんという特権なんだろう…と、感動を噛みしめた。

ステロイドの内服を長期に続けると、骨粗鬆症のリスクが上がったり、ムーンフェイス(脂肪の代謝異常でまんまる顔)になるなどネガティブな影響に目を向けがちだが、それでも内服を減らしていた時期は、飲むとしんどい体がラクになるので、「もっと、もっと飲みたい!」という心境にもなったものである。
そうは言っても、看護師さんに気の毒そうに顔をじっと見つめられて「なかなか、元通りになることはないと思います」などと言われると、しばし気持ちが沈んだものだった。

そこでその看護師さんに「花粉症の症状が出ない気がするんですけど〜」と言ってみた。
そうすると、やはり私の顔を気の毒そうに見つめながら、一言、
「…まぁ、いいこともないとねぇ…」

確かに。

そして翌年の春、順調にステロイドの量を減らし、確か10ミリくらいになっていた頃には、しっかり「招かれざる客」はやって来たのだった…