空港での車椅子リクエストと、初のプレミアムエコノミー

緊急に娘の学校の退学手続きをし、帰国便の飛行機を取りました。先生にも事務の方にも、急なことでご迷惑をかけてしまいましたが、通常の退学手続きよりも早めて頂くことが出来て、本当に助かりました。とにかく、ほとんど着の身着のまま、という状態でした。

空港での移動に、車椅子をリクエストする

さて、主人が仕事を休めない中、一人で小1の娘(まだ手がかかりました…)を連れて帰国しなければいけません。しかも、相変わらずふくらはぎの筋肉が痛んで、5分以上は続けて歩けない状態でした。広い空港内の移動にも不安があります。とはいえ、まぁチャンギ空港〜羽田間は慣れているし、なんとかなるかなぁ、なんて呑気に構えてる私に、元看護師のIちゃんが「航空会社のサポートデスクに電話して、車椅子手配してもらってね。機内で何かあってもおかしくないんだから、サポートしてもらえることは全部頼んで、万全にしたほうがいいよっ」と後押ししてくれました。

初めてJALのサポートデスクに電話し、車椅子のリクエストを試みる私。「病気で歩行難があるのですが、車椅子を一台お願いできますか?」すると、搭乗できるか医師の診断書が必要な場合もありますが、どのようなご病気でしょうか、とのこと。感染症など、搭乗できないケースもあるということでしょうね。「好酸球増多症です」「コウサンキュウ…」電話口で、病名を聞き取るのも大変そう…。そして、調べてもらった結果、この病気の場合は搭乗可能とのことでした。一応、病院からの書類を持って行くことにしました。

人生初のプレミアムエコノミー

さらに、食事の時に噛むと顎が痛くなってくるのと、食後に起こる胃痛(右のみぞおち付近に、鈍痛が長く続いていました)があり、機内で普通に食事ができるのか不安があったので、機内食にはホームページに載っていた「消化の良い食事」を注文。そして、まぁ夜間便でしたが、少しでもゆっくり眠って体力をセーブしたいということで、生まれて初めて、プレミアムエコノミーに搭乗しました。

お見送りに主人も涙

後に残された主人が困らないように、なるべく家の中をシンプルに整理し、不用品などは少しずつ処分して過ごしていましたが、当時の私の体力では焼け石に水と言った感じで、思っていたことの半分もできませんでした。

娘が日本についてすぐ学校に通えるように、教科書と学用品をスーツケースに詰め込んで、着の身着のまま、バタバタと空港に向かう準備をしました。荷物も、たくさんは持てないので、スーツケースはたった一つでした。

主人が早めに仕事を切り上げて、空港に付き添いで来てくれることになったので、娘は大喜び。出発時間は予定を大幅に過ぎて、タクシーを呼ぶのが夜7時前になっていました。

お世話になったママ友たちにも、出発時間はあえて知らせないでいました。

タクシーを地下の駐車場に待たせて、主人と娘だけ先に荷物を持って出てもらって、玄関先にかがみこんでガサガサしていると、半開きのドアの向こうに、Iちゃんの姿が…!「最後に会えて良かった!」と言い合いました。ありがとう。お礼の言葉も見つからないわ。と言うと、カラダで返してもらうからね!と言われました。

ふくらはぎの筋肉痛のことも忘れて、慌てて駐車場に降りて行くと、待たせていたタクシーの脇に並んでいたのは、お世話になったママ友二人と、娘のお友達たち…。嬉しいやら申し訳ないやらで、なんと言ったらいいのか、ありがとう、ごめんねと繰り返すばかりで、気の利いた言葉が何も出てきませんでした。娘は大喜びではしゃいでいます。発車後も、バイバーイ!と振り返って手を振っていました。主人の目にもうっすらと涙が浮かんでいるようでした。

人生初の車椅子体験

チャンギ空港に着いて、JALのカウンターへ。チェックインを済ませた後、車椅子に乗って待つことしばし…。シンガポーリアンと思われるおばちゃんがやって来て、IDの提示を求められました。IDを見せると、そのままガラガラと車椅子を押して行き、出国ゲートで主人と別れることとなりました。車椅子の横に、ピッタリ着いてくる娘。

車椅子を押しながらゲホゲホゲホッと咳をするおばちゃん…。マスクもしてないので、容赦なく降りかかって来ます。それも、何度も。海外だと、咳が出るからと言ってあまりマスクする人いないんですよね。ステロイド治療中は、感染症になりやすいので、ぜひこのようなお仕事で咳の出るような方はマスクして欲しいと思います。

色々な手続きを通過して、落ち着いた場所に車椅子が止まりました。「Thank you!」と、笑顔で振り返ると…おばちゃんいない。え?え?え?

どうすればいいの??

キョロキョロすると、どうやらラウンジみたい。ママ〜〜…どうすればいいの?と娘。いや、ママも分かんないから。

でも、プレミアムエコノミーなんだから、ラウンジ使えるんだよね。使ったことないから、まごまごしちゃうけど。

見ると、パンやらサンドイッチ、プチケーキ、様々なお惣菜が、ブッフェみたいに並んでいます。勝手に食べて、いいんだよね。お金払えって言われたら、後で払えばいいんだもんね。

「ママ食べ物取ってくるから、ここに居てね!」見えやすい席に娘を座らせて、車椅子から立ち上がり、筋肉痛の足をふりしぼって、食べ物を取りに行きました。色々食べたいけど、機内食も出るし、わたしも娘も、食べられるものって限られていたので、小さなパンとプチケーキくらいにしました。わたしはお水で、娘はりんごジュース。

夕飯の時間を過ぎていたので、とにかく何かお腹に入れて、薬を早く飲まなければ!と言う思いでした。

がっかりでも正解?機内食「消化の良いお食事」

そろそろ搭乗口に移動しなければ…でも車椅子だし、という頃合いに、再びおばちゃん登場。良かった。でも、何か言ってよ〜〜…

そのまま搭乗口を通過、飛行機に乗り込むまで車椅子を押してもらいました。その後は、何とか歩いて座席へ移動。

搭乗して間もなく、機内食になりました。特別ミール「消化の良いお食事」ってどんなかな?

フタを開けると、彩りも美味しそう。おかずもヘルシー。でも、白いのがご飯ではなく、これは…はんぺんかな??パクッと一口。うーーん…。

確かに消化に良さそうだけど…。食べた気がしないなぁ。おかずは美味しいんだけど、普通の機内食でよかったかも…。

その時の感想は、ちょっとがっかり。

でも!!この後わたしの身に起こることを思えば、それくらい気をつけていて大正解だったのです。実際、この食事の後には胃痛(右のみぞおち付近の鈍痛)も一切起こらずに、体調も良く過ごすことが出来ました。

後述しますが、わたしはこの2週間後に、小腸に穴が空いてしまいます。

入院中に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症という難病の一種であると診断されました。胃の内視鏡検査や大腸検査など様々な検査と並行して、ステロイド内服治療を続けますが、血管炎で身体中のあちこちが脆弱に、もろくなっていたのでしょうか。小腸に穴が空き(小腸穿孔)、切除手術をすることとなるのです。


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